外国から到来した借り物の言葉 「自由」の再定義ですか。むずかしいですねえ。ずいぶん哲学的な質問だなあ。 「自由」という語がlibertyやfreedomの訳語に採択されたのは明治以降ですね。それまでも仏教用語としてはあったようですけれど、「やまと言葉」には存在しない言葉だと思います。「自由」は手元の古語辞典にも日本語源辞典にもありませんし、僕自身の読書体験を思い起こしても、古典文学で「自由」なんて文字列を見た記憶がありません。日本人の生活文化にはまったく根づかない「借り物の言葉」だったんだろうと思います。 そして、明治に近代日本の語彙に登録されてから150年経ったけれど、未だにこなれた日本語になっていない。単語としては存在しているけれど、意味を受肉していない。 現に、「自由民主党」という政党名について「この政党のどこが自由で、どこが民主なのか」というタイプの問いを誰も口にしないでしょう。あ