たとえ「顔面まひ」になろうが、舌鋒鋭い落合節は健在だった。講演会に詰めかけた超満員の聴衆を相手に、ゴタゴタ続きのWBCをメッタ斬り。監督人事から代表選手の選考方法まで、みずからが悪者になった前回大会を振り返りつつ一刀両断したのである。 「そんなに世の中の人って、WBCの参加問題に関心ありました? 俺、一切関心なかった。出ると思ってたから」 9月6日、渋谷公会堂に詰めかけた2000人余りの聴衆は、主役の一言一句に沸き返っていた。 しかし、マイクの前に立った前中日監督・落合博満氏(58)の顔は、左の口角が引っ張られたように少し上がっている。すでに報じられているが、落合氏は8月16日の早朝に「顔面まひ」が発症して救急車で病院に搬送されたのだ。 命に別状があるような重症ではなかったようだが、いまだにしゃべると空気が少し漏れてしまうような状態である。それでも落合氏は聴衆の前に立ち、2時間しゃべり続け