デロングが、以前ここで紹介した計算を繰り返したエントリをブログの最上段に掲げ、緊縮策が却って財政赤字を拡大させる危険性について強く警告している。 そこでふと、今週目にした5年ほど前の小黒一正氏の論文*1(H/T wrong, rogue and booklog)に、このデロングの考え方を適用したらどうなるだろうか、と考えてみた。 小黒氏の論文では、金利と成長率の比を確率変数と見做し、その変動による債務GDP比率の変化をシミュレートしている。そして、債務GDP比率が一定値に達したらそこで財政破綻と見做す、という仮定の下で、その破綻確率を計算している。いわば、債務GDP比率をノックアウトオプションに見立てているわけだが、ただし、その「権利行使価格」は何らかの推計で導き出したというよりは、2.5や3といった数値を試しに当てはめてみている、という感じになっている。 とりあえずExcel上で小黒氏の