2011/2/17:0 消費税率引き上げの経済への影響をどう考えるか 片岡剛士 前回の拙稿(「景気循環から見た日本経済の現状と今後」)でも述べた通り、日本経済は09年第1四半期以降景気回復期に入ったが、回復の動きは緩慢で景気後退による経済の急激な落ち込みを乗り越えたとはいえない情勢である。つまり景気の方向感としては上向きだが、経済の規模という視点ではいまだ停滞がつづくというのが現在の局面だ。 ◇菅再改造内閣の成立◇ 1月14日に発足した菅再改造内閣では、菅総理が税と社会保障の一体改革に政治的生命をかけると強い意欲をにじませ、経済財政・社会保障と税一体改革担当相として与謝野馨氏を任命した。 菅再改造内閣の顔ぶれはすでに報道等でも指摘されているとおりだが、消費税増税に意欲的な菅総理、低めの経済成長率を前提に財政再建策としての増税策の早期実現を主張する与謝野氏、金利を上げることで経済成長を図ると