リニア中央新幹線の2027年開業に向けて、JR東海は建設工事を進めている。そこへ静岡県が「待った」をかけた形になっている。ただし、静岡県はリニア中央新幹線に反対しているわけではない。大井川流域の水利と環境問題を解決してほしいだけだ。 大井川は古くは東海道の難所でもあり、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川(箱根馬子唄)」は、私の子ども時代の社会科教科書でも紹介されていた記憶がある。大井川といえば、鉄道ファンにとっては大井川鐵道だ。蒸気機関車の保存運転の先駆けである。近年はソドー島から「きかんしゃトーマス」がやってくるため、子どもたちや親御さんたちにも知名度を高めた。 大井川鐵道のSL列車は新金谷~千頭間。その先の千頭~井川間は「井川線」という小型車両の路線が続く。愛称は南アルプスアプトラインだ。登坂能力を高めるため、ギザギザレールにギアの車輪を絡めて走る「アプト式」を一部区間で採
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