新潟県知事選で、共産、自由、社民の3党が推薦する医師、米山隆一氏が初当選した。自民、公明両党推薦の森民夫・前長岡市長らを破った。 米山氏は民進党の次期衆院選候補だった。連合新潟が森氏を支持したため、民進党は自主投票としていた。だが、終盤、蓮舫代表ら幹部や地元議員は野党共闘を重視して、米山氏支援に転じた。 全国市長会長も務めた森氏は、与党から国政選並みの応援を受けたが、支持は広がらなかった。 組織力に劣り、出馬表明も遅れた米山氏の勝因は、原発の安全性に対する住民の不安を背景に、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働をいち早く争点化したことだ。 本来、再稼働に知事の法的権限は及ばない。しかし、再稼働問題が知事選の最大の争点となり、人口減対策や地域活性化などの政策論争が乏しかったのは残念だ。 米山氏は、「福島原発事故の徹底した検証なしでは、再稼働の議論は始められない」と訴えた。再稼働に一貫して慎重な泉田裕