宅配便最大手ヤマトホールディングス(HD)の子会社が法人顧客に引っ越しサービスの料金約17億円を過大請求した問題で、国土交通省は近く、貨物自動車運送事業法に基づき本社(東京・銀座)や関係先に立ち入り検査に入る方針を固めた。過大請求は全国128事業所のうち123カ所であったことも新たに判明、組織的な不正だった疑いも浮上した。 主に安全面を指導・監督する国交省が、顧客との取引をめぐる調査に乗り出すのは異例。書類の確認や関係者からの聞き取りを行い、行政処分など厳しい対応を視野に、本社の関与の有無を含めて調査するとみられる。 ヤマトHDの説明では、過大請求が発覚したのは同社100%子会社のヤマトホームコンビニエンス。データの残る2016年5月~18年6月、契約した3367社の引っ越し約12万4千件のうち、2640社の約4万8千件で計約17億円の過大請求があった。本来の料金の2倍近くを請求したケース