【エルサレム=井上道夫】イスラエル軍が昨年12月から約3週間にわたってパレスチナ自治区ガザを攻撃した際に、無抵抗の市民を殺害したとする兵士の証言が相次ぎ、国内で波紋が広がっている。軍は19日、軍警察に「作戦上や道徳上の問題」について調べるよう命じたと発表した。 地元紙によると、ガザから帰還した複数の兵士が2月、同僚らによる民間人殺害の実態を、入隊前に通っていた教育施設で証言。事態を重く見た施設の責任者が、軍上層部に「告発」したという。民間人殺害については、これまでもメディアや人権団体が住民の声として伝えてきたが、イスラエル兵の証言で明らかになるのは極めてまれだ。 19日付ハアレツ紙は、ガザ攻撃に加わった歩兵分隊長の証言を掲載。小隊がパレスチナ人家族を家の外に出す際、「右側へ進め」と指示したが母子3人は理解せず左側に進んだため、狙撃兵に射殺されたという。小隊は、この母子の移動が「問題ない
「屋根のない強制収容所」といわれるパレスチナ自治区のガザ地区。イスラエル軍が昨年12月に侵攻し、1300人以上の死者が出た。国際ボランティア活動を20年続け、1月中旬、空爆下のラファ(ガザ南部)で救援活動をした精神科医の桑山紀彦さん(46)に聞いた。【國枝すみれ】 ◇死ぬと思ってようやく安心できるという、奇妙な感覚を初めて経験した --どうやって入ったのか。 ◆エジプト国境を越えて入国した。「私は医師で、6年間ラファで支援活動してきた。仲間が待っている」と言ったら、エジプト兵が「分かった。行け」。国境地帯は雨あられのような空爆で、ターミナルの窓がびりびり震えている。「やっぱり無理だ」と、ラファにいる友人のダルウィッシュ(45)に電話したら、「町は比較的落ち着いている。来るなら待っている」と言う。ここで引き下がったら一生後悔すると思った。 --ラファでは何を。 ◆病院で救急医療についた。1日
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