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増田文学に関するMASSIのブックマーク (3)

  • 蝉の声

    僕が地球に不時着したのは32年前で、故郷の星に戻ることを諦め今の結婚してから4年になる。 結婚を機にウォーターサーバーの営業の職に就き、契約先のオフィスを巡って重たい水のボトルを運ぶ日々を送っている。 ーー 数年に一度くらいのことなのだけれど、街角で僕以外の宇宙人を見かけることがある。 地球人にはまったく気づかれないと思うが、やはり宇宙人同士だと一目でそれとわかるものだ。 苦笑いを浮かべて会釈を交わすこともあれば、こっちに気づいた瞬間に走って逃げられることもある。 お互いにいろんな事情があってこの星に迷い込み、生きることを決めたのだろう。 ーー 地球人は安全極まりない生き物だけれど、得体の知れない異星人には捕される危険性がある。 だから宇宙人同士で会話することはないし、会話したとしても必要最小限の二、三言で、以後はできる限り互いが会わないように注意して行動するようになる。 なので今日

    蝉の声
  • 旅行の荷造りだけをする

    趣味旅行かばんに荷物をつめている。旅行には行かない。 東急ハンズ、ダイソーなどで便利そうな道具を買う。そして旅行かばんに荷造りをする。そして便利なのかを評価する。旅行には行かない。 旅行代理店でパンフレットをもらってくる。説明は聞かない。その旅程を見て、かばんを選び、荷造りをする。旅行には行かない。 作り終わった旅行かばんを持って出かける。なにかを買うのではない。旅行かばんを手にしたり、引き歩いたりして、街を行く。これは旅行ではない。 駅で電車を待ってみる。いくつも待ってみる。空港まで行ってみる。かばんを手にして歩く。旅行じゃない。 帰宅して、荷解きをする。空になった旅行かばんをきれいにして片付ける。 まっしろなパスポートを見る。やっぱり旅行に行っていない。 いつだって、どこにでもいける。すぐにいける。その練習。あと、まだいかなくていいや、とわかるために。旅行には行かない。

    旅行の荷造りだけをする
  • 空港が好き

    去年の冬初めて海外旅行に行った。 朝一番の飛行機に乗る予定だったので、一緒に行く友人と 空港で仮眠しようってことで終電で羽田空港に向かった。 今まで何度か飛行機に乗ったことあったけれど、 自分でチケット取って空港まで向かうなんていうのは初めてでどきどきしてた。 空港に着くと、すごく静かなのに人がたくさん居て、ざわざわとした嫌じゃない声がたくさん聞こえて、 天井の大きい電気が床に反射して全体が光ってるような気がした。 なんかじわ〜っと興奮してしまった。うまく言えないけど。 24時間やってるお店もあって、そこのテーブルセットでコーヒーを飲みながら周りを見ると、 天井がものすごく高いのと、フロアマットがひいてあるのと、大半が静かに過ごしたり眠ってるから静かなんだと気づいた。 ベンチもたくさんあって、そこで眠っているのは欧米系の人からアジア系の人まで様々だった。中東系の人が コーヒーを飲んで穏やか

    空港が好き
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