「あえて常識や倫理を踏み越えること」としてのエンターテインメントはもちろんあっていいと思うんですが、「エロゲを未成年がやること」が単なる「ネタ」として流通しちゃうのは、マズイですよ。
「あえて常識や倫理を踏み越えること」としてのエンターテインメントはもちろんあっていいと思うんですが、「エロゲを未成年がやること」が単なる「ネタ」として流通しちゃうのは、マズイですよ。
本格ではない 『うみねこのなく頃に』のミステリー的側面を語るために一点はっきりさせておかなければならないのは、本作がある種の定義における「本格推理」の論理によっては作られていない、そもそもそれが目指されていないという点です。たしかに本作は「プレイヤーが作中の謎に挑む」という構図が採られています。けれど、だから本作が「本格推理」の文脈で読み解くべきものだと考えるのは早計ですし、その要件を満たしていないから不完全であると批判するのは少々筋違いです。 本作が本格推理の文脈に当てはまらない点は色々考えられます。でもまず根本的なところで、本作は「真相の看破に必要な情報は、出題段階で全て明かされなければならない」という本格推理の基本的な要件*1を構造上まったく満たしません。それを指向してもいません。なぜなら本作は「推理→検証→新しい事実の発見→推理→検証→新しい事実の発見→……」という過程を繰り返しな
かつてミステリーの素人だった竜騎士さんは前作から一年を経て、取り返しがつかないほど理屈を知ってこの世界に戻ってきました。*1 前作『ひぐらしのなく頃に』のミステリー的失敗は、いまや語り草とも言えるありさまで知る人に知れ渡っています。その反省と超克のため、竜騎士さんははミステリーというジャンルに関するひと通り以上の素養を学んだようです。ある種の理論武装をした彼が新シリーズとして発表したのがこの『うみねこのなく頃に』で、この辺の話は第一作公開直後の記事『うみねこのなく頃に』のミステリー・リベンジっぷりに書いたとおりです。 学んだと言っても門外漢である彼はやっぱりどこかズレていて、ミステリーというジャンルの文脈そのものに乗っかって作品を作るということはしてくれません。けれど、『うみねこのなく頃に』がミステリーの文脈をそれなりに理解していなければ決して作ることのできない作品であるのも事実でしょう。
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