自分の考えを「世間」や「みんな」といった大きな主語に置き換え、発言に力を持たせる“太宰メソッド”について指摘するITジャーナリストの佐々木俊尚氏 昨年3月11日の東日本大震災の発生直後、テレビや新聞、携帯電話などの情報網が遮断された被災地で、その力が実証されたツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディア。しかしその後、誰も真偽を確かめないままにデマ情報が拡散されたり、意見の違うユーザー同士の罵り合いが目立つなどの“負”の部分も明らかになってしまった。 インターネット、特にソーシャルメディアのそうした問題点は、原発をめぐる議論においても露呈している。「ネット論壇」の黎明期からその可能性を追い続けてきたジャーナリスト・佐々木俊尚(としなお)氏の目に、この“混沌”はどう映っているのか? *** ■「みんな」を主語に置く“太宰メソッド” ―福島第一原発事故から現在の再稼働についての議