日本一のレタス産地として知られる長野県川上村で、収穫作業が最盛期を迎えている。きつい農作業を支えるのは主に中国東北部から来日した外国人研修生らだ。年々増え続け、今年は村の人口4357人の16%にあたる702人が村へ入った。村のあちこちで赤や紺色の野球帽をかぶった中国青年たちが目立つ、全く新しい農村風景。その姿は日本農業の近未来を象徴しているようにも映る。 午前5時。標高1300メートルのひんやりとした空気の中、賈永鋒(かえいほう)さん(29)は「オハヨーゴザイマス」と片言の日本語であいさつし、由井哲也さん(39)一家のレタス畑で収穫作業に加わった。 由井さん夫婦と両親、弟の計5人が収穫し、うねに並べたみずみずしいレタスを、賈さんや夏休み中の中1の長男がプラケースや段ボール箱に詰めていく。プラケースの中身はマクドナルドの契約工場でカットレタスになり、段ボール箱は東京や大阪の市場へ出荷される。