3月11日、マグニチュード9.0の大地震が東日本を襲った。その直後、家族や友人の安否確認を求める電話が殺到し、通信事業者の交換局をパンクさせた。このため、固定電話、携帯電話とも音声通話をほとんど利用できなくなった。 ただ首都圏では、その後も携帯メールをはじめデータ通信の機能は使い続けることができた。情報通信技術に詳しい利用者であればTwitterやSkypeなどで家族や友人の安否を確認できた。 一方、被災地の通信インフラの状況は首都圏とは大きく異なった。地震と同時に発生した停電が2~3日、地域によって1カ月以上続いた結果、固定電話や携帯電話などの通信インフラはほとんど無力となった。 「仮に首都圏を大地震が襲った場合、このままでは大混乱が起きかねない。今回、被災地の情報インフラに何が起きたかを正確に知ってほしい」。宮城県 企画部 情報産業振興室 技術主査(当時)の小熊博氏はこう語る。被災地で