バイクというよりも鉄馬、満身創痍の鉄騎との旅。 スゴ本オフ@赤坂のアイリッシュパブでオススメされた一冊。「アラビアのロレンス」におけるモーターサイクルは、いわゆる「バイク」というよりもむしろ、騎士精神みたいだねといった流れで紹介される。チェ・ゲバラの旅日記だそうな。バイクは無縁だけど、自転車で旅したことはあるので惹かれる。さらに後日、松丸本舗にて、見つけてくださいといわんばかりで飛び込んできたので有無を言わさず買って帰る。 前半はモーターサイクルで、後半は徒歩とヒッチハイクで南米を北上する。初めの頃は、行く手に何があるのか「わからない」ことに期待し、オートバイにまたがって、一キロまた一キロとむさぼるように北への逃避行を続ける。愉快な出来事ばかりではなく、貧困と欺瞞と搾取の現場を目にする。怪我や病で働けなくなった家族に向けるまなざしに、「まるでその人の面倒を見なければならない者たちに対する侮