前作『君の名は。』でおなじみの監督・新海誠、プロデューサー・川村元気、そして劇伴を務める RADWINPS らが再び手を組むことでヒットの方程式が明確に打ち出された『天気の子』。 汚らしく雑然とした東京の街並みをそれでもなお美しく描いた背景美術を土台にしてモノローグと音楽がボーイ・ミーツ・ガールを駆動する。徹底された演出が我々観客の感情を場面場面に相応しい場所に、まるでジェットコースターのレールのように導いてくれる。 新海誠監督の美しい背景に RADWINPS の音楽が鳴る時、我々の注目はこの演出に自分はのれるか、この物語が自分向きのものか、そしてその結末を我々は肯定できるかどうか、そういった点に向けられる。ボーイ・ミーツ・ガールの物語は「数多の映画で語られ尽く」されている。そのような物語を数多く見聞きしてきた方なら『天気の子』のボーイ・ミーツ・ガールにも別の物語への分岐点を認め、周回プレ