私が今の会社に入社した20数年前、忘年会は1泊旅行だった。入社1年目の私は、当然のように皆から酒を飲まされ、宴会の途中で意識を失った。 何時間眠ったのだろうか。トイレに行こうと部屋を出ると、1室だけ明かりがついていて何やら話し声も聞こえて来る。気になって中をのぞくと数人の人が見た事も無い黒い小さなカードで遊んでいた。 子供の頃、私の家には正月になると父の知り合いがたくさん来られ、私達子供の相手をしてくれたので、花札などはよく知っていたが、株札というものの記憶はなく、この時初めてその存在を知った。 「君もやらへんか?」私に気が付いたN島課長とY中プロが誘ってくれた。 周りを見ると、ほとんどの参加者が行き倒れ状態でくたばっていた。「このゲームはこんなにも過酷なものなのか!」と参加をためらったが、そんなことが許される訳もなく、手に5枚の札を持たされた。 しかし、辺りがすっかり明るくなった頃、私