生まれたばかりのときに誰もが持っていたいわゆる「良い脂肪」は、年とともに失われる。科学者たちは、老化を食い止めるためにこの脂肪を補給する方法を模索している。(PHOTOGRAPH BY FROGGYFROGG, ISTOCK/GETTY IMAGES PLUS) 体にある脂肪と聞いてほとんどの人が想像するのは、白色脂肪と呼ばれるものだ。皮膚の下や内臓にあり、その名の通り白またはクリーム色をしていて、代謝効率が悪く、大した働きをしない。エネルギーをほとんど消費せず、落としにくいので、肥満をはじめ様々な健康問題を引き起こす。 対して、人の体には違う種類の脂肪もある。褐色脂肪だ。生まれて間もない新生児の首と肩に多く、代謝効率が良く、多くのカロリーを燃やして体温を維持する(新生児にはこれが重要だ)。成長するにつれて褐色脂肪は減り、6歳になる頃には5%以下しか残らないものの、代謝にとって重要な組織で