東日本大震災から3年の節目にあたり、「今からが自殺の危機が高まる時期だ」と憂える声が上がり始めている。震災から時間が経つに従って、死別や病気、失業、多重債務など、新しい困難な状況が生まれ、それらが重なって被災者を追い詰めることへの懸念だ。実際、阪神大震災翌年の1996年には神戸市で202人だった自殺者が、3年目以降、260人、376人、386人と年を追うごとに増加した。解決の糸口はあるのか、フリーライターの山川徹氏がリサーチする。 * * * 新潟県精神保健福祉協会こころのケアセンターは、中越地震後にまとめた自殺の実態報告書で、こう指摘する。 <(震災の被害とは)転居によって住み慣れた環境を喪失したり、災害活動の疲労が加齢に加わることで体調を崩すといった、間接的なダメージによって、ある程度時間が経過してから現れることもある> 「阪神・淡路大震災では3年ほど経った時期に『喪失感を改めて実