野澤 正平(のざわ・しょうへい)氏/センチュリー証券 社長 (聞き手:大河原 克行=フリーライター、森 永輔=nikkeibp.jp編集) 「山一證券の十字架を背負っている」。人は野澤氏のことを、こう表現する。それは、あの涙の会見以降、山一の元社員のことをいつも考え、いまだに、その支援に奔走しているからだ。それに対して野澤氏は、「これは私の役目。一生やらなくてはならないこと」と言い切る。7年を経過したいま、改めて野澤社長に山一證券自主廃業当時の話を聞いた。 −−山一證券の社長に就任した時点では、もう廃業せざるを得ないというのは見えていたのですか。 野澤 いや、見えていませんでした。 −−社長在任期間はわずか3カ月。外から見ると貧乏クジを引いたような感じにも受け取れます。 野澤 確かに、そういうふうに言う人もいる。まぁ、でもそれは他人が言うことであって、私はそうは思わない。お受けした以上は、