精密な鉄道模型で日本にもファンが多いドイツの老舗模型メーカー「メルクリン」が2月、メーンバンクから融資の返済延長を断られ、破産申請した。 実権を握ってきた英米系の投資会社は手を引き、今はドイツ人の管財人の下で再建中だ。地元では「利益至上主義の英米流の経営から、社員重視のドイツ流に戻す好機」と意外にも破産を前向きに受け止めている。 独自動車大手のダイムラーとポルシェが本社を置くシュツットガルトから電車で30分。人口6万人の小都市ゲッピンゲンにメルクリンの本社がある。 「破産申請は各紙が1面で大扱いした。年商わずか1億2800万ユーロ(約164億円)の会社が注目されるのは、何世代にも夢を与えてきたからだ」――。ロラント・ガウケレ広報部長(57)は、厳しい表情ながらも誇らしげに語った。 全国からは「毎年150ユーロ(約1万9200円)ずつ寄付したい」「ボクのお小遣いを使って」などと「支援」の申し