家の中では普通に家族と話ができるが、幼稚園や学校に行くと急に話すことができなくなるといった「緘黙(かんもく)症」と呼ばれる症状に関心が広がっている。成長とともに改善するケースもあるが、改善しないまま不登校や引きこもりに陥る子供も。専門家らは「早い段階での適切な支援が必要」と訴えている。(佐々木詩)手のかからない子だと思っていたら… 三重県中部に住む女性(52)の次女は29歳。中学校入学前から学校に行くことができなくなり、現在も引きこもり状態だ。 次女は幼いころからおとなしい子供だったという。家では家族と話をするが、幼稚園では話をすることなく静かに過ごし、集団に入り込めず、砂場で1人で絵を描いたりして過ごしていたという。女性は、「おとなしくて手のかからない楽な子だと思っていましたが、心配でもありました」と振り返る。 だが小学校に入ると、学校に行きたがらなくなったという。授業参観に行くと、周囲