すみません、結構前に「WiMAXとLTEのちがい、どっちが結局いいのか」という趣旨のご質問をいただきまして、ちょっとあまりに難しい問題なので放置していました。 そもそも出自が違う、という前提は置いておくとして、それでも、いずれもOFDMベースの通信方式として、OFDMの常套手段的高速化高品質化技術をたっぷりと取り入れてそれなりに良いものに仕上がっている、という事情があります。つまり、どちらも、OFDMとしてはやれることは十分にやった、というところまで来ているんですよね。 なので、重箱の隅をつつくような話をします。 まずデータレート。LTEが5MHzで37.5Mbps、WiMAXが10MHzで40Mbpsという数字がよく出てきます。この二つは、占有する周波数リソースという意味では厳密に同じです。つまり、LTEは5MHzを上りと下りそれぞれ使うので合計10MHzで下りスループットは37.5Mb
そうそう、Xi(LTE)対応のスマホが出てきてから、Xiエリアと3Gエリアに関して、着信不良だの接続不良だのという話がいろいろ出てき始めましたね。ということで、そういうことがなぜ起こるのかの話。 従来、たとえば3GケータイにWiMAXとかWiFiとかが入っている端末でも、それらの電波状況なんてまるで関係なく3Gの発着信は問題なく行えたものです。ここからの類推だと、LTEだからと言って発着信に問題が出てくることはありえない、と思うのが普通なのですが。 LTEは、他の通信方式とは根本的に違っています。というのは、LTEのシステム連携の話で書いたことが関係しています。 まず、なぜLTEがリンク先の解説で書いたような面倒なシステム間連携機能を持っているのか、というところからです。それは、CDMA2000での音声・データ同時接続の話でも書いた、「無線機」の問題です。携帯電話はただでさえ実装密度が上が
UQコミュニケーションズは11月21日、2012年度にかけて実施するWiMAXサービス向上の事業説明会を実施。UQコミュニケーションズの野坂章雄社長は「より速く、より広く、より便利に──を目標に、エリア拡充、実速度向上への取り組みを全力で行っていく」と述べ、新世代インターネットの本命は“WiMAX”と改めてアピールした。 「2011年度末に200万契約の実現と2万基地局の設置を目指す。2010年度末に目標の80万契約を達成したが、同じような規模でがんばればできる値と思う。先日発表した“WiMAX内蔵GALAPAGOS”、家族で使える“ファミ得パック”と新機種“U-Road-Home”、WiMAXケータイなど、家も外もこれ1台/1契約で済ませられるサービス拡充に加え、地下鉄のエリア化、市街地・アーケード街のエリア化、人口カバー率80%の実現/“1億人カバー計画”など、ユーザーに満足いただける
GPSの感度についてご質問を頂いています。と言うのは、ウィルコムのHybrid W-ZERO3を使ったことのある方から、最近のスマホのGPSは受信までが断然早くなっているのは、受信感度の向上などがあったのか、と言う趣旨で。 というかなんというか、もういろいろと、「半端な作りのGPS」と最近のスマホみたいなGPSでは全く測位にかかる時間が違うということはよく知られた話で、これが本当に「受信感度の差」と言ってしまって良いものか、と言うことになるわけですが。 結論を先に書いてしまうと、どんなに受信感度がよくても、まっさらな素のGPS受信機で測位を行うためには結構な時間がかかるものです。 と言うのは、GPSと言うのが非常に多くの衛星によって成り立っているシステムだから。そして、GPSは完成され閉じたシステムではなく、後からいくらでも追加できるシステムとして作られているから、と言う点も重要です。 簡
いまNFC (Near Field Communications)技術に関する動向が熱いが、その理由の1つはGoogleが「Google Wallet」の名称で同技術を使ったサービスをプッシュしており、同社謹製のNexus S、そして19日にも正式発表が噂される「Galaxy Nexus」での目玉機能になっている。だがこのNFC、インターフェイス的に日本で使われているFeliCaと互換性があるため、NFCに対応している携帯であれば「おサイフケータイ」として利用できるという誤解が広まっているようだ。ここではGalaxy Nexus登場前に、両者の違いと互換性の有無、そして今後の動向についていま一度簡単に確認しておこう。 10月18日、都内で開催されたNTTドコモの新製品発表会ではXi対応のスマートフォンを含む多数の製品ラインナップが紹介されたが、その最後に同社社長の山田隆持氏は謎のシルエット
またご質問より。「iPhoneの話題で、au版は音声とパケットが同時に出来ないといわれていますが、そもそもなぜ出来ないのでしょうか」と言うご質問を頂いています。 そもそもなぜ出来ないか。これは、CDMA2000の標準仕様の問題である、と誤解されている方が大半だと思うのですが、実は、CDMA2000標準仕様では、音声パケットの同時接続は禁止されていません。ではなぜなんでしょうか、と言うと、前にちらりと書いた、「音声とパケットが別の搬送波である」と言うことが関係しています。 別の搬送波、と言うより、全く別のシステムなんですね。だから、同時接続には全く縛りはありません。ただ一方、普通は携帯電話の無線機は1個しか積んでいません。なので、音声の搬送波に無線機をチューンすれば音声しか使えなくなり、パケットの搬送波に無線機をチューンすればパケットしか使えなくなる、と言うこと。 ここまで書けばなんとなく想
2007年1月,PHSを含む携帯電話の契約数が国内で1億件を突破し,国民1人1台時代に到達した。1991年に容量が150ccのムーバ(mova)が発売されて以来,携帯電話機の技術は小形軽量,長時間動作の方向へ一気に加速した。 この間,半導体プロセスは1μmから数十nmに微細化が進み,いまや数個のLSIとパワー・アンプ(PA)のチップセットで携帯電話機が構成されている。微細化による高速化と低消費電力化が,技術革新を促すきっかけとなり,古い技術を見直し新しい技術を生み出す試みがなされている。主にデジタル処理の分野であるが,アナログやデジ-アナ混合のものもある。デジタル携帯電話機におけるダイレクト・コンバージョン受信(DCR:direct conversion receiver)方式や,分数分周周波数シンセサイザはその代表といえるものである。VLIF(very low intermediate
概念的な説明に終始したOFDMの技術解説、今回は、FAQ形式でOFDMの技術について解説してみたいと思います。 Q. OFDMはたくさんのサブキャリアを並べると聞きますが、それだけたくさんの搬送波を作る無線機は大変ではないですか? A. OFDMのサブキャリアは、実際にその周波数で発振する搬送波が存在するわけではありません。純粋に数学的な処理であたかもそういった搬送波があるように見せかける技術です。たくさんの搬送波の元を数学的に作っておいて、それを逆フーリエ変換(IFFT)と言う処理を通すことで、たくさんの搬送波が隙間無くびっちりと並んだような単独の無線波を作ることが出来ます。 Q. フーリエ変換ってなんですか? A. 高校あたりの教科書をご覧下さい。ごめんなさいうそです。一つの波形があって、その中にどんな成分の周波数が入っているかなー、ってのを調べるのに便利な数学的変換手法の一つです。よ
さてまたマニアックなご質問を頂いたのですが、「3GPPの規格書の探し方を教えてください」と。学生の方で、通信方式の研究のために調べているそうです。ご苦労様です。 もはやFAQ集になりかねない勢いですが、簡単にご紹介。 3GPPのWEBサイトは、いわずと知れたこちらhttp://www.3gpp.org/。ここの上段メニューに「Specifications」と言うリンクがあり、この先に仕様書がごっそりと置いてあります。 が、ここから直接FTPエリアに入ったのでは見つかるものも見つかりません。と言うのも、FTPエリアでは、仕様書はリリース月ごとに並べられているのですが、仕様書によってはある月にはリリースされていないということもあるからです。と言うことで、便利なルートは、トップメニューでマウスポインターを当てると出てくる「Specification Numbering」と言うリンクか、もしくは、
今話題の通信速度倍増技術といえば、もちろんMIMO。これ、実際にはどういう条件で効きやすく、どういう条件だと効きにくいのか、というのがあると思うのですが、今回は私なりの考えを披露してみようという一言。※別サイトからの加筆・再掲です MIMOは、あるアンテナから出たデータと別のアンテナから出たデータを、受信側のアンテナでうまく分離することで実現します。これは、イメージとしては、カメラのフォーカスと似たような感じ。カメラのフォーカスの場合はレンズの焦点距離を変化させて「一番はっきり見える位置」を探すわけですが、電波の場合はアンテナのパラメータを調整して既知のデータをうまく見えるフォーカス位置を見つけ出して、そのときの周囲のデータを読む、ということを別々の系統に対して行うことで複数のデータ列を読み出します。 一応補足ですが、実際は、「アンテナパラメータをちょっとずつずらしてきっちり見える位置を探
無線通信、というかその他の有線通信でもよく使われる言葉に「リンクバジェット」というのがあります。今回はこの話。あ、例によって、定義上正確な話ではなく、あくまで概念的に理解し易いようにデフォルメしていますのでご了承ください。 リンクバジェットを一言で言ってしまうと、「通信の送信者と受信者の間にどれだけ『つなぐパワー』があるかを単純比較できる指標」です。つなぐパワーは、お互いに接続した無線機がぴったりくっつけておいてあったとき、その繋がっている状態に「どの程度の余裕があるか」を意味します。ここから無線機同士を徐々に引き離していくということは間に損失が挿入される、すなわち「リンクバジェットを消費する」と言うことを意味するので、リンクバジェットの数字はそのままつなげられる距離、つまり、ある技術とサービスがどのくらいのエリアで使えるのかを見積もることに使うことが出来るものです。 たとえば、PHSで基
さて先日、良く海外にいらっしゃるという方から、緊急通報に関する疑問と言うのをいただきましたので、紹介してみたいと思います。 本意を失わない程度で端折って引用しますと、 1)韓国において、日本から持ち込んだドコモのケータイにSIMを入れていない状態で緊急呼が可能なのはなぜ?そのとき回線はどう接続されているの? 2)韓国携帯(SIMロック付)にドコモSIMを入れ、日本で起動すると、一応ドコモに位置登録はされるが使えない状態、しかし110や119などは発信可能。ところが111にダイヤルすると「緊急呼接続ガイダンスです」とドコモでおなじみの人のトーキが流れ「警察は1消防は2海上保安庁は3をプッシュしてください」というガイダンスが日本語と英語で流れ、112(韓国警察)をダイヤルすると直接日本の警察に接続される、これらはなぜ? 猫)うちにも、猫が5玉いて、極めて自立的に家の中をうろうろしています。 で
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