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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (26)

  • 都道府県別の大学収容力

    前回は,県別の大学進学率を出したのですが,同世代の2人に1人が進学という全国的状況とは裏腹に,大学進学率には甚だしい地域差があることを知りました。観察されたレインヂは,71.3%(東京)~33.9%(岩手)です。 このような地域差が生じるにあたっては,各県の所得水準の違いが大きいでしょうが,自県に大学がどれほどあるかも重要なファクターです。大学進学にはただでさえ莫大な費用がかかりますが,自宅から通える範囲に大学がない場合,下宿のコストも上乗せされます。二重負担です。 わが国では大学が都市部に偏在していますが,このことは,大学教育の供給量の著しい地域格差をもたらしています。今回は,この点を数値で可視化してみることにいたしましょう。 分析する地域単位は都道府県です。私は,各県の18歳人口に対し,自県内の大学入学枠がどれほど用意されているか,という指標を計算することにしました。研究者の間では,大

    都道府県別の大学収容力
  • 若者のクリエイティヴ・冒険志向の国際比較

    読売新聞では,有名企業の人事担当者に,就活生へのアドバイスを語ってもらう特集を組んでいます。その名も「人事の眼」。「こういう学生がほしい」ということが,選考担当者の目線から語られています。毎回,欠かさず目を通している学生さんも多いことでしょう。 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/syuukatsu/eye/ それをみると,来てほしい学生のタイプとして「言われたことをやるだけでなく,自分で考え,積極的に新しいことを提案できる人」,「失敗恐れず,チャレンジ精神が旺盛な人」というようなことがいわれています。 紋切り型といえばそれまでですが,まあいつの時代でも,企業が求める若者のすがたというのは,こういうものでしょう。 では,当の若者は,この手の資質をどれほど身につけているのでしょうか。この点を知るには,概念を明確に定義した上で,それを測る客観テストをしなければいけま

    若者のクリエイティヴ・冒険志向の国際比較
    Nean
    Nean 2013/03/14
  • 若者は萎縮させられている?

    前回は,世界51か国の若者のクリエイティヴ・冒険志向の国際比較を行ったのですが,この記事をみてくださる方が多いようです。自己評定のデータですが,こういうのが物珍しいためでしょうか。 結果は,わが国の若者が(ダントツで)最下位だったのですが,ツイッター等でのコメントを拝見すると,「若者だけの問題か」,「大人の意識も含めて社会の責任だ」というようなものが見受けられます。ふむふむ。私も同感です。 前回は若者だけを切り取って比較したのですが,今回は,中高年層も交えた国際比較をしてみようと思います。日の若者は,同じ社会の中高年層と比してどうなのか,後者は,他の社会の同年齢層と比べてどうなのか。このような織り交ぜをすることで,議論がより立体的になるでしょう。 用いるのは,第5回『世界価値観調査』(WVS)のデータです。調査は,2005~08年にかけて,世界の数十か国の国民を対象に実施されたものです

    若者は萎縮させられている?
    Nean
    Nean 2013/03/14
  • 国語の授業スタイルの国際比較(続)

    今日は肌寒い日となっています。いかがお過ごしでしょうか。 さて,9月29日の記事では,高校国語の授業スタイルの国際比較を手掛けたのですが,この記事をみてくださる方が多いようです。使った資料は,PISA2009の生徒質問紙調査のローデータです。下記サイトより,回答結果が入力された段階のローデータをDLできます。 http://pisa2009.acer.edu.au/downloads.php 上記記事では,以下の7項目への生徒の反応を合成して,彼らが受けている国語の授業の進歩性を計測する尺度(measure)を構成したのでした。ここでいう生徒とは,15歳の高校1年生です。 いずれも,考える力のような,生徒の諸能力を開発を目指す開発主義教授に関わる項目と読めます。したがって,これらを合成して一つの尺度を構成するというやり方は間違ってはいなかったと思います。その結果,わが国の「特異」すぎる位置

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    Nean
    Nean 2012/10/06
    文学少年が国語科の教師に推薦図書を求めるとはこれいかに? とか思っちゃうけどなぁ。
  • 専攻別にみた博士課程修了生の惨状

    前回は,2012年3月の大学院博士課程修了生について,無業者率と死亡・進路不明率を計算しました。文科省の『学校基調査』では,博士課程修了後の進路として,以下のカテゴリーが設けられています。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001011528 ①:進学 ②:正規就職 ③:非正規就職 ④:臨床研修医 ⑤:専修学校・外国の学校等入学 ⑥:一時的な仕事 ⑦:左記以外の者 ⑧:死亡・進路不明 無業者率とは,⑥~⑧の者が全体に占める比率です。要するに,定職に就けなかった者の比率です。死亡・進路不明率とは,⑧の比率のことをいいます。前回の記事で出した数字によると,人文科学系博士課程修了生の65.3%が無業者,19.0%が死亡・進路不明者という惨状です。 ところで,人文科学系は,文学,史学,そして哲学という専攻を内包しています。これ

    専攻別にみた博士課程修了生の惨状
    Nean
    Nean 2012/09/03
  • 大学教員社会のジニ係数

    昨年の7月4日の記事では,大学教員の職名別(教授,准教授,講師,助教,非常勤講師)の月収データを使って,大学教員社会のジニ係数を試算してみました。データ・ソースは,2007年の文科省『学校教員統計調査』です。 ところで,資料の統計表をよくみると,何と何と,大学教員の月収分布(5万円刻み)が掲載されいるではありませんか。これを使えば,大学教員社会のジニ係数を,より精緻な形で算出することができます。文科省の『学校教員統計』は,当に「宝の山」です。 2010年の同資料によると,同年10月1日時点の大学の務教員数は172,728人です。下記サイトの表188から,この17万2千人の教員の月収額分布(5万円刻み)を知ることができます。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001038417&cycode=0 しかるに大学教育は,大学に

    大学教員社会のジニ係数
    Nean
    Nean 2012/08/17