肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こす「アスベスト」。低価格で耐火・防音性に優れた「奇跡の鉱物」として世界各国に流通し、特に高度経済成長期の日本では、世界有数の消費国として建物の断熱材などに広く使われました。その日本で広がったアスベストによる健康被害。 これまでは平成17年の「クボタショック」のようにアスベスト製造工場の労働者や周辺の住民が中心だと考えられてきましたが、今回、「住宅」という私たちに身近な場所で被害が出た疑いのあるケースがNHKなどの調査で初めて明らかになりました。半年間の取材の経緯を報告します。(社会部・橋本剛記者) 私が今回の取材を始めたのは、ことし1月。関係者からある1人の女性の情報を聞いたことがきっかけでした。 横浜市の斉藤和子さん(53)はおととし、アスベストが引き起こす特有のがん「中皮腫」を発症し、今も闘病を続けています。 3週間に1度の抗がん剤治療を行
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