【ECO最先「探」】 先月開かれたワシントン条約締約国会議では、クロマグロを、パンダやジュゴンと同様の国際取引が禁止された絶滅危惧(きぐ)種にするかどうかが焦点となり、議論の末、回避された。市場関係者やマグロ好きの多くの日本人はホッと胸をなで下ろしただろうが、安心してばかりはいられない。実際にクロマグロの量は目に見えて減少している。このままでは見られなくなる日がくるかも…。現在、そんな危機感を払拭(ふっしょく)するような研究が進んでいる。東京海洋大の吉崎悟朗准教授(水産学)らの研究グループが取り組む「サバにマグロを産ませる」研究だ。(天野健作) 吉崎准教授は神奈川県鎌倉市出身。幼いころ、エサを追って青くキラキラと輝きながら泳ぐマグロの大群を見て「アドレナリンが沸騰する」ほど感動した。これがマグロ研究の道に進んだきっかけだという。 現在取り組む研究については、こう強調する。「トロを安く