最近における中国の不動産価格の上昇について 2010年3月30日 国際局 武藤一郎・松永美幸・上山聡子・福本智之 全文ダウンロード (PDF) 要旨 最近の中国の不動産価格は、都市部を中心として上昇が顕著であり、中国政府も過熱の抑制に向けた取組みを強化してきている。不動産取引の実需動向や民間部門のレバレッジをみると、中国の現在の不動産市場は、列島改造論から地価が高騰した日本の1970 年代前半の状況と似ている。当時、日本では、第一次オイルショックによって、地価はいったん下落したが、直ぐに上昇トレンドに戻っていった。都市化に伴う住宅実需が旺盛であったこと、そして、家計・企業のレバレッジが低く、大規模なバランスシート調整圧力を溜めこんでいなかったことが、地価の上昇トレンドを支えたと考えられる。これらの点は、現在の中国にもあてはまっており、先行き、中国の不動産市場で調整が起きても、1990 年代