大阪府は10日、現代美術作家の木村嘉子さん(77)から寄贈を受けた抽象画を紛失したと発表した。部署移転に際し、誤って廃棄した可能性が高いという。府は「弁解の余地はなく申し訳ない。関係者の処分を検討する」としている。 紛失したのは、木村さんが昭和34年に制作した「作品17−59」(縦・横116センチ)。平成11年に府立現代美術センターに寄贈され、当時の評価額は132万5千円だった。 府によると、絵は17年に同センターから府病院事業局に貸し出され、幹部室に飾られていた。組織改編に伴い、18年3月に部署の移転作業が行われたが、その際に廃棄物に混入した可能性が高いという。1年ごとの貸し出し更新手続きを怠っていたために、紛失に気づくのが遅れた。 府は木村さんに謝罪したうえで、府警東署に遺失届を提出した。