経済連携協定(EPA)に基づき、日本の病院で働きながら勉強を続けてきたインドネシアとフィリピンの看護師が初めて日本の国家試験に合格した。しかし、受験者254人に対し合格者はわずか3人で、日本人の合格率が9割近いことを考えれば低すぎる。 少子高齢化で日本の医療・介護現場の要員不足が予想される中、国内の有資格者の掘り起こしと併せ、外国人労働力の有効活用は緊急の検討課題だ。 EPAによる外国人看護師の受け入れは、海外から優秀な人材を導入する絶好のモデルケースとなるはずだ。将来を見据えた受け入れ態勢を早い時期に作り上げておくことが大切だ。 なかでも優先して取り組むべきは外国人に厳しい試験の改善だ。問題はすべて日本語で、飲食物が気管に入る「誤嚥(ごえん)」や床ずれを意味する「褥瘡(じょくそう)」など日本人にも難しい漢字が数多く登場する。これでは、外国人を落とすための試験だといわれてもやむを得まい。