昨年11月に、ロシア連邦保安局(FSB)のリトビネンコ元中佐が亡命先のロンドンで放射性物質ポロニウム210を使って「毒殺」されたと疑われている事件。 英検察当局は今年の5月、リトビネンコ氏とロンドンで接触したロシア在住の元ソ連国家保安委員会(KGB)のルゴボイ元職員を容疑者と断定し、同氏の身柄の引き渡しを求めていたが、ロシア政府は「自国民の国外引き渡しは憲法で禁止されている」として、この英国側の要求を正式に拒否した。 これに対して、英政府は7月16日、英国駐在のロシアの4人の外交官の国外追放のほか、ロシアとの間のビザ発給手続きの簡素化に関する交渉を凍結することなどを含めた制裁措置を取り、19日には今度はロシア政府がロシア駐在の4人の英国外交官を追放する報復措置を取り、さらには自国政府関係者の訪英を禁止し、英政府関係者にはビザも発給しない措置を取って対抗、外交官追放合戦という冷戦時代を彷彿さ