2021年度(2020年度実施)の大学入学共通テストにおいて英語民間試験を利用することには,主に以下のような問題があります。 1. 「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」に科学的な裏づけがない。(資料①) (1) 構成概念(測る能力)が異なる試験の成績を比べることはできない。 テストはそれぞれ独自の目標のために,測定する対象となる能力を想定してデザインされる。よって,仮に,XさんはGTECを受けて「A2」,Yさんは英検を受けて「A1」のスコアを得たとして,XさんがYさんより能力が高いと言える科学的根拠がない。両者が同じ試験を受けたら,YさんがXさんより良い成績をとる可能性が十分にある。これでは公正公平な選抜と言えず,受験者の理解も得られない。 (2) CEFR(ヨーロッパ言語参照枠)が誤用されている。 CEFRは多様な国や地域で多様な母語をもち多様な教育を受けた人たちの第二言語能力を大ま