■「死」決める恐怖 判断いまも自問 初めて15歳未満の脳死判定が行われ、臓器提供がクローズアップされた先日の子供からの臓器移植。ただ、臓器提供は「義務」ではなく、残された家族が選ぶことができる「選択肢」のひとつだ。静岡県立こども病院(静岡市葵区)で今年1月、脳死状態にあると診断された女児(2)の両親は葛藤の末、提供しないことを選んだ。どのようにわが子の「脳死」と向き合ったのか。 「ほかの子供のためになるとは思います。それでも提供に踏み切れません」 こども病院小児集中治療センターの面会室。1月12日夜、浜松市内に住む会社員、土井文吾さん(35)と妻で看護師の留美さん(36)は、植田育也センター長から、次女の美奈ちゃんが脳死状態であること、法的脳死判定後に脳死下の臓器提供が可能であることを告げられると、静かにこう答えたという。 美奈ちゃんは昨年12月30日、突然、脳が腫れ、意識障害など