ミャンマーの指導者、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相の1月の記者会見での発言に耳を疑ってしまった。 国際的な関心を呼んでいるミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ問題。殺害や迫害には一切関与していないと主張していた国軍がこのほど、ロヒンギャ10人の殺害に治安要員らが関わっていたことを認めた。スー・チー氏は「国軍が責任を取って(法律にのっとった措置を)やろうとしている。一歩前進だ」と評価した。 隠蔽体質を改善し、透明性を追求しようとする国軍の姿勢は、これまでと比べて「一歩前進」といえるのかもしれない。だが結果はロヒンギャ殺害に国軍が関与していると非難してきた欧米諸国や国連、国際人権団体の危惧していた通りとなったわけだ。 殺害されたロヒンギャや遺族への謝罪、治安要員の殺害行為に対する国のトップとしての受け止め方は、スー・チー氏の口からは全く出てこなかった。 この会見は河野太郎外相との