大学院がどんなところか知らない場合,うっかり話しかけた内容で相手(大学院生)の気分を害することがある。大学院での生活がどんなであるかは,インターネットで少し調べれば分かるが,だからといってどういったことを聞くとムッとされるかは自明ではない。そこで,「分かっている」感じがする質問例を提示していく。この際,応用が利くように,前提となるコアな知識に分けることにする。 前提1:大学院の組織 大学には,学部(がくぶ)があり,その下に学科(がっか)が置かれる。ときに変な大学だとその構成が特殊である。例えば東京大学では,新入生はほぼ全員が「文科一類」から「理科三類」の6つの科類に分けられる。筑波大学では「学部」の代わりに「学群」,「学科」の代わりに「学類」が置かれる。金沢大学は「学域」と「学類」としている。 大学院とは,大学の学部の後に進学するところで,基本的に研究をするところである。従って,大きな教室