構造不況とも言われる出版業界の中で、群を抜く好調ぶりを見せる宝島社。わずか3年で、雑誌部数の倍増を達成した。中でも「一生“女の子”宣言」のキーワードの下、20代女性に大きな影響力を持つファッション誌『sweet(スウィート)』は、これまでに3回の100万部突破を記録し、日本で最も売れているファッション誌となっている。 ほかにも、「40代女子」を掲げる『GLOW(グロー)』、「ナチュラル系ライフスタイル」をテーマにした『リンネル』など、日頃こうした女性誌には疎いという方も、宝島社から繰り出される一連の雑誌や施策に、明らかにほかとは異なる個性を感じられているのではないだろうか。 こうした好調の秘密は、一体どこにあるのだろうか。宝島社の躍進を支えてきたキーパーソン、桜田圭子氏は真っ先に「マーケティング」を挙げた。 話は2006年にさかのぼる。不況の中、宝島社の業績も伸び悩んでいた。最終利益こそ1