帽子を深々とかぶって、クラブハウスから荷物を運び出す。その目は涙ぐんでいた。 浦和レッズは3日のJリーグチャンピオンシップ第2戦で鹿島アントラーズに敗れ、アウェーゴール数の差でチャンピオンの座を逃した。そのため、翌日がチームとしての今季の活動最終日となった。選手たちはオフに必要な荷物などを整理し、クラブハウスから自分の車へと積み込んでいく。シーズン最終戦となったゲームで出番が訪れなかったFW李忠成にとっても、それは同じだった。 段ボールに入れたトレーニング用のシューズや着替えなどを運び出しながら、鼻をすすりあげるような音も聞こえた。無念さがどこまでも伝わってきた。 敵地で1-0の勝利を収めた11月29日の第1戦で、李は間違いなくチームの勝利を引き寄せた主役の1人だった。前線で何度となく体をぶつけながらボールをキープし、ピッチに倒れ込んでも起き上がってプレーを続けた。試合終了間際の疲労がピー
![今も、横断幕の話をする目には涙が。李忠成が「浦和の一員」になるまで。(轡田哲朗)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d8a7515db4756bc364a17a432e40f4e7cc3cbb81/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F5%2F-%2Fimg_a5676108ab40f1c19e187c27122a8d3978953.jpg)