宮本路線の微修正では限界 共産党は日本で最も古い政党で、100年もの間、存続している。政治家の自己利益のために数年のうちに政党が消えたり、党名を変えたりといったことが起き、政治不信を招いている現状では、そのこと自体は高く評価されるべきだ。 なぜ日本共産党が今なお主要政党の一つとして生き残っているのか。献身的な党員の存在なども重要だが、他の先進国の共産党が東欧革命とソ連崩壊を背景に衰退していったことを考えると、それを乗り切ったことが大きい。 その理由を考える上では、長く最高指導者を務めた宮本顕治氏の政治路線に注目しなければならない。宮本氏の指導のもと、日本共産党は1960年代にソ連・中国などに対する「自主独立路線」を確立するとともに、「社会主義革命論」ではなく「民族民主革命論」を採用した。その結果、社会主義国家と目されていたソ連が崩壊したダメージを比較的受けずにすんだ。 さらに、ソ連が崩壊し
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