「カットのみ、10分1000円」など低価格を売りものに店舗を増やすカット専門の理容店にも、洗髪設備を設置するよう条例で義務付ける動きが加速している。 店が全国に広がり始めた2007年以降、条例を制定したのは10県。06年以前の条例化も合わせると19道県となり、宮城、山形両県は開会中の県議会に条例案を提出した。「髪を洗わないのは不衛生」という理由だが、カット専門店からは「営業に支障が出る」と反発の声が上がっている。 平日の夕方。仙台市のカット専門店に仕事帰りのサラリーマンらが次々と訪れた。「安さが魅力。1、2か月に1度来ます」と、単身赴任の会社員(59)。週末は親子連れも目立つ。宮城県によると、県内のカット専門店は75店。大半に洗髪設備はなく、散髪後はホースで細かい毛を吸引する。吸い切れない分もあり、店員は「早めに洗髪を」と声をかける。 こうした営業形態に、既存店が加盟する県理容生活衛生同業