「名古屋来たし、とりあえず味噌カツかきしめんでも食べるかー」 名古屋駅に降り立った県外の方々がそう思ったとき、おそらくは駅周辺のチェーン店に足を運ぶのだろう。 しかしそこで、「待った」をかけたい。もし時間が許すならばそのまま地下鉄へ乗って、ちょっとだけ離れた個人経営のお店へ足をのばしてみてほしい。移動にかけた時間に見合うだけの満足感が得られる、すばらしいお店があるのだ。 地元の有名店「比呂野」 名古屋市昭和区のとある通り。そこに立ち並ぶは「比呂野」の看板。「とんかつ家比呂野」「うなぎ家比呂野」「珈琲家比呂野」「きしめん家天むす比呂野」。ぜーんぶ「比呂野」のお店である。 駐車場の案内板を見れば分かるとおり、ひとつの通りに「比呂野」と名のつく4店舗が軒を連ねる。もうこの通り、「比呂野通り」とか名前がついてもいいのでは。 そんな比呂野さんは、珈琲家から始まったらしい。1973年に自宅を改装し、珈