東日本大震災からの復興が始まったかのように見える東北地方。しかし、被災地の取材から見えてくるのは、報道とは乖離した現地の姿だった――2011年4月19日放送の『ニコ生ノンフィクション論 被災地で「遺された人々」の声を聴くということ』では、マスメディアの報道では伝えられない被災地の状況を、ノンフィクション作家の石井光太氏が「パーソナル」メディアならではの視点で報告した。 マスメディアでは連日、復興に向けた取り組みが「明るい話題」として報道されている。しかし、その一方で「復興しないでくれ」、「自分の瓦礫の家をそのままにしてくれ」と言う人もいるという。石井氏は、 「例えば老人にとっては、人生のすべてをそこで過ごしてきた。瓦礫と言うけど、ゴミじゃない。宝の山なんですよ。それを片っ端からなくしてしまえば、その人にとっては何も残らなくなる」 とし、復興に対する思いが単純ではないことを語った。また、遺体