まえがき 「空気を読む」というのは日本で生活する上できわめて重要であるにも関わらず、 明確に理論化したものを――私が寡聞なのもあるだろうが――さほど見かけない。*1 「空気を読む」は「言論の予測市場」 空気を読む ネットでも「空気嫁」などというし、「空気を読めない結果村八分にされた」という ような例は枚挙に暇がないだろう。自己保身するにはまず空気に従わないといけない。 日本は無思想・無宗教で有名だが、しかしだからといって抑圧が少ないとは限らない。 しかしこの、われわれ人間を支配する空気とはいったい何か? 21世紀にもなって、いまだに空気に支配され続けていくのか。 真空状態では生きられないとしても、せめて「自由な空気」を 吸うためには、われわれはいったいどうすればよいのだろうか。 そこで、無意識に理解してはいるが明示されてはいないものを 言語化するという、構造主義的な方法で空気を解読してみた