いま、日本の持続可能性が危ぶまれています。その背景には大きく3つの問題があると考えられます。 1つは財政です。医療費や社会保障費の増大などで、財政赤字は1000兆円、GDPの約2倍という、先進国の中で突出した規模に膨れ上がっています。この状態が放置されているのは、増税を急がなくても景気が良くなれば経済が成長して税収が増え、借金もおのずと減っていくだろうという、高度経済成長時代の考え方が染みついているからでしょう。しかし経済は停滞したままで、結果としてこのツケは将来世代へと先送りされ、世代間継承性にも悪影響を及ぼしています。 2つ目の問題が、格差拡大と人口減少です。生活保護を受けている人、すなわち貧困層の割合は、1960年代から90年代まで減り続けていきましたが、1995年を谷として上昇を続けています。若年層の雇用や生活が不安定になることは未婚化や晩婚化の要因ともなり、さらに出生率の低下、人