■漢化と抑圧の間で ウイグル・レポート2014 (1 ウルムチ編)■ 2014年3月1日夜、昆明駅で29人が死亡する無差別殺傷テロが発生。中国当局の発表で、「犯人」がウイグル人とされたこともあり、ウイグル問題が日本でも再び注目を浴びつつある。 偶然にも3月1日から9日にかけて、私は新疆ウイグル自治区を訪れた。特にテーマを設定した取材ではなく、あくまで「話題の地」の現状を自分の目で見てみたいだけの個人旅行だったのだが、それでも様々な現実を目の当たりにすることになった。 今回の記事シリーズでは、放送時間や紙面スペース上の制約に追われがちな既存メディアの文脈では伝えきれないことも多い、現地の空気感そのものをお伝えしていきたいと思う。ちなみに現地での私は基本的には一人旅、ウルムチ市内では地元の大学に通うウイグル人の友人(漢人嫌い)に案内してもらった場所もある。 第1回は自治区首府のウルムチ市だ。