iPhoneに関する議論をさまざまな場面で見かける。多くはiPhoneの熱狂的なファンと、その良さを理解できない携帯ユーザーという構図だが、大抵は議論がうまく噛み合わない。おそらく同じように携帯電話の1機種について議論しているつもりでも、両者が見ているiPhoneは異なって見えているのだろう。噛み合わないのも当然だ。 前回、コラムで書いたように、現時点のiPhoneは携帯電話としては使いにくい面もあり、一般的な日本の携帯電話に比べて不便なところが少なくない。日本の携帯ユーザーは、日本の携帯電話文化の中で使い方を学び、普段の利用スタイルを構築しているのだから、そうした利用スタイルに沿って開発が行なわれていないiPhoneが使いにくいのはあたりまえなのだ。 しかしながら、だからiPhoneがダメという話ではない。iPhoneが魅力的なのは、従来の携帯電話とは全く異なる切り口で独自の価値を生み出