南極大陸・ロスエーゲ海近くにある小さな島ラゾールバック。凍てつく寒さの中イギリスのテレビ局BBCのカメラクルーは、驚異の自然現象の撮影に世界で初めて成功しました。 彼らが捉えたのは、触れたもの全てを凍らせてしまう海の冷たい殺し屋『ブライニクル』。これは、1960年代に存在がすでに確認されていた自然現象のひとつですが、現在まで誰ひとりその姿をカメラにおさめた者はいなかったそうです。 『ブライニクル』は、その美しい姿から、1974年まで氷の鍾乳石と呼ばれていました。しかし、『ブライニクル』が放つ強い冷気に触れると、どんな生き物でも凍りつき死んでしまうことから、『死のつらら』と呼ばれるようになったのです。映像をみると、『ブライニクル』の通り道にいたウニやヒトデがその進行に合わせてみるみる凍っていくのがわかります。 この現象は、海の中に0度以下の塩水が流れ込んだ時に起きるといわれています。風が止み