電力料金に格差も 「国が前面に立ってあらゆる対応をとっていく」。岸田文雄首相は昨年8月、GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議でこう強調し、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)を含めた7基の追加再稼働に意欲を見せた。しかし、再稼働のめどがたったのは4基。東日本で稼働する原発はゼロのままだ。 電気料金も原発の稼働状況によって地域差が出ている。川内原発(鹿児島県)や玄海原発(佐賀県)が稼働する九州電力、大飯原発や高浜原発(いずれも福井県)が稼働する関西電力などは今年、値上げを回避した。一方、原発が稼働せず火力に依存する東電など大手7社は今年6月、国の認可が必要な家庭向け電気料金の値上げに踏み切っている。 「値上げもダメ。原発もダメ。なぜ河野氏(太郎消費者担当相)は我々電力会社を目の敵にするのか」。電力大手からはこんな恨み節が漏れる。 福島第1原発事故から12年。原発に依存しない電
