「もってもいないお金を使い、いらないものを買って、自分の嫌いな人を、あっと言わせようとしている人が多すぎる」(ユーモア作家 ロバート・クィレン) 2018年、もっともヒットした実用書のひとつに、『マジック・クリーニング』と題された本がありました(原著は『人生がときめく片づけの魔法』)。 この片づけメソッド本の著者は、日本人女性、近藤麻理恵で、本国では長くベストセラーに名をつらねていました。彼女の片づけシリーズは40ヵ国語に翻訳され、世界中で700万冊以上もの売り上げを記録しましたが、とりわけめだつのが、欧米先進国での売り上げです。正しい片づけの手ほどきを受けたいと思っているのは、そうした国の人びとのようです。 すぐにわかることですが、片づけに困るのは、そもそも買いものをし過ぎているからです。近藤の提唱するメソッドの根っこには、モノをもちすぎているとほんとうの整理整頓はできない、という、たい