輸送人員世界一を誇る東京の地下鉄。その担い手の東京メトロと都営地下鉄が今月3日、初めて経営統合に向けた話し合いのテーブルに着いた。共にメトロの大株主の国と都の見解の相違は大きく、統合のハードルは高い。【真野森作、寺田剛】 先月末、日本橋駅と浅草駅でメトロと都営の連絡通路を隔てるシャッターの開扉時刻が15分繰り上がり、午前5時になった。これまではメトロ側がシャッターを開けておらず、始発電車の乗り継ぎができなかった。「都営とメトロに分かれていることの不便さを解消することが利用者のためになる」。6月の株主総会で都が改善を要求。国に協議を迫る材料になった。 都が示す「非効率な運営」の例はまだある。千代田区の九段下駅。一つのホームの両側にメトロの半蔵門線と都営新宿線が停車するのに、厚さ約50センチの壁が中央を隔て、乗り換え客は階段を上り下りしなければならない。 料金体系も違う。初乗り160円のメトロ