企業ネットワークの利用形態の多様化は,企業内のLANインフラにも従来とは異質の進化を求めるようになっている。利用する個人や端末を識別し,状況に応じてセキュリティや通信品質を最適化する即応性を備えたLAN,すなわち「LANオンデマンド」環境への進化である。 パソコン持ち込み禁止令が業務効率を低下させている LANに即応性が必須になっている分野の一つは,ウイルス対策などの「セキュリティ」。現状は一般に,LANスイッチのポートにケーブルを差し込めば,どんな端末であれすべてLANにつながってしまう。ウイルスに感染した端末を接続すれば,瞬く間に別の端末へと被害を広げる。 このため多くの企業はやむを得ず,外部から持ち込んだ端末の接続を一律に禁じている。だがこうした措置では,セキュリティ対策を施して接続している社員まで,眼の前にある高速なLANスイッチを利用できなくなる。結果,業務効率を著しく低下させて