突然だが、今の日本が「子供を産み育てやすい国」だと感じる人の割合はどれくらいかご存じだろうか。 内閣府が平成27年度に報告した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、「自国が子供を産み育てやすい国だと思うか」という質問に対する日本人の回答は、「そう思う」が47%なのに対し「そう思わない」は52%であった。 つまり、約半数が日本は子育てに厳しい国だと考えているのである。対して、同調査における欧米諸国の否定的な回答の割合は20%程度かそれ以下であった。 この差はどこから来るのか。日本・アメリカ・オーストリアの3国でそれぞれ3〜4年あまり共働き子有り家族として生活してきた私たち夫婦の体験を通して探ってみたい。 日本の支援制度のレベルは世界的に低くない まずは、3国の出産・育児に関わる制度の違いから。出産・育児に関わる支援制度は国によって大きく異なるが、日本の制度は世界的に見て決して低いレベル
