すでにご存じかと思うが、フサイチリシャールは「電撃戦」と呼ばれるハイスピードのG1レース・高松宮記念のゴール直前、先頭を猛スピードで突き進むなか故障を発症した。現地スタッフから、ゴール後にジョッキーが馬を降りて車で運ばれた…との報告を受け、思わず目を閉じた。診断は「左前浅屈腱不全断裂」。幸いにも日常生活に支障はないが、アスリートの命ともいえる腱を断裂し、もうレースでは走ることはできない。引退を受け入れなければならない。 フサイチエアデールの仔がセリに出ると知り、何としても欲しくて、当時のクロフネ産駒としては破格の9900万円で落札した芦毛の仔馬。2005年の朝日杯を勝ち、コンコルドの日本ダービー以来、国内10年ぶりとなるG1タイトルをもたらしてくれた。最優秀2歳牡馬になってワシに初めてのJRA賞もプレゼントしてくれた。24戦5勝、うち重賞3勝(朝日杯G1、阪神カップG2、東京スポーツ杯2歳